新年のご挨拶

UnsplashRyan Moultonが撮影した写真

新年、あけましておめでとうございます。

年頭のご挨拶が大変遅くなってしまい、もはや新年のご挨拶という時期ではなくなってしまいました。

残念ながら2024年は大変悲しいニュースから始まってしまいました。コロナ禍が明けて初めてのお正月で多くの方々がご家族でおくつろぎになっていた中、多くの笑顔を悲しみに変える出来事が起きてしまいました。また、その震災支援のための物資を運搬するはずの航空機乗員の方々が事故でお亡くなりなりました。被災された方々、事故でお亡くなりになった海上保安庁職員の方々に心より哀悼の意を表します。

そんな悲しい出来事で幕を明けた2024年ですが、改めて自分たちに何ができるのか考えさせられている方も多いのではないでしょうか。

居ても立ってもおられず現地に赴いて力を尽くしたい、と思われる方もいるかもしれません。しかし、支援の形は様々です。自分にできる形で地に足をつけて持続可能な支援をし続けることが大切です。

現地での支援はもとより、二次避難された方々の支援、さらには平時と変わらず地域を守り続けることも立派な被災地支援だと思います。

当院は引き続き粛々と地域の患者様の診療にあたりつつ、二次避難されてこられた方がいらっしゃれば支援させて頂き、被災地の方々についてもオンライン診療等でお役に立てることがあれば積極的に支援させていただきたいと考えております。

当院はこの4月で開院後4年となり、ついに5年目に入ります。昨年は医療法人化、患者様向けイベント「みんつく!」の開催、在宅支援診療所となり往診を開始したり、個人的には書籍の出版など、さまざまなことがございました。患者様により良い医療をご提供できるようになった面と、逆に変化によりご迷惑をお掛けした面もあったかもしれません。

ここまで当院を見守ってくださった患者様、そのご家族様、日頃より連携していただいている医療機関様、取引先企業様、そして当院スタッフ、ご関係のみなさまに心より御礼申し上げます。

今年の干支は辰(たつ)です。12年前のたつ年では、東京スカイツリーの竣工や山中伸弥先生がノーベル医学・生理学賞を受賞されたようです。まだ12年しか経っていないのか、と時代の変化の速さに驚かされます。

たつ年というと「登る・昇る」というイメージで語られることが多いようですが、当院は患者様も含めご関係の皆さまと力を合わせてよい医療をご提供することで、みなさまが安心して暮らしていける社会を実現できるように、少しずつ一歩ずつ階段をのぼっていければと願っております。

さて、最後になりますが、当院では以下の目標を掲げ、本年も多くのみなさまのご要望にお応えしていきたいと考えております。

  • 「みんつく!」第2弾や、患者様向け講演会などのイベントを開催してまいります。
  • より多くの医療的ケアを要する地域の患者様に対して良質な在宅医療をご提供できるように、体制を強化してまいります。
  • 脳波検査の需要にお応えするため、検査枠の拡大を図ってまいります。
  • 他の医療機関では対応の難しい移行期の患者様(小児から成人への移行が必要な患者様)に関して、てんかんの患者様および重度障害の患者様ともに引き続き積極的に診療してまいります。
  • 医療的ケア児や重症心身障害児の家族支援にも力を入れてまいります。
  • ITBやVNSなど、限られた医療機関でしか対応できず通院負担の大きい処置についても積極的に引き受けてまいります。

移行期や重複障害、境界域など医療の狭間でお困りの患者様のお役に立ちたい、というのが当院の理念でございます。通院先にお困りの患者様、紹介先にお困りの医療機関の方々はご遠慮なくお問い合わせ頂けますと幸いです。

今年の4月で当院は4歳になりますが、まだまだまだまだ成長過程の幼児です。

引き続き皆様に育てていただければと思いますので、何かお気づきの点やご要望などございましたら些細なことでも結構ですので何なりとご指摘いただけますと幸いです。

本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

東小金井小児神経・脳神経内科クリニック 院長 生田陽二